年上の人に贈るプレゼント選び
私たち日本人は、小さいころから「目上の人を敬うように」といわれて育ってきました。学生時代は上級生を敬い、社会人になれば上司を敬い、そしてプライベートでは両親や祖父母を敬い、と、目上の人を大切にするという文化は、日本の文化として現在も受け継がれています。その文化は、日本語という言語にも色濃く反映されており、その最たるものが「敬語」と呼ばれている言葉ということになるでしょう。
敬語とは、言葉で表現する主体(書き手、話してなど)と客体やその話題中の対象となる人との上下関係、話題に出てくる人物同士の上下関係などを、言葉を使って表現するために用いられる言葉で、欧米にも多少はありますが、日本語はこの敬語が非常に体系的に発達しているといわれています。日本における敬語は種類も豊富で、大きく分けて一般的に尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分類することができますが、これはみなさんも学生時代に国語の授業などで習ったことがあるのではないでしょうか。
尊敬語の使われ方
尊敬語は、話題の中の動作や状態の主体が話者よりも上位である場合に使われる言葉で、昔は身分によってもその尊敬語の種類が分けられていたといいます。そして謙譲語は、話題の中の動作の客体が動作の主体よりも上位であることをあらわすときに使われます。
つまり、動作の主体をへりくだす言い方であり、動作の主題が自分である場合には、自分をへりくだすことによって、暗に相手を持ち上げる言葉遣いとなります。丁寧語は、聞き手が話し手よりも上位である場合に使われる言葉ですが、一般的には「です・ます」調という風に認識されていることが多いですね。このように、日本語には、目上の人に使う場合専用の言葉遣いが豊富に存在しており、いかに日本の文化の中で、「上下関係」というものが重視されているか、ということがわかります。
日本語の難しさと上下関係
ちなみに、世界で最も難しい言語のうちのひとつ、といわれる日本語ですが、この敬語というものは、言語的だけではなく日本文化を象徴する概念というべきものですから、外国人が日本語を学ぶうえで非常に大きなハードルとなっているようですよ。また、これは日本だけということではありませんが、日本において上下関係が重視されるようになった文化的背景というのが、「儒教」という思想です。
儒教という思想について
儒教は、ご存じの方も多いかもしれませんが、紀元前6〜5世紀ごろの思想家である孔子が提唱したもので、中国から日本にもたらされました。今日でも、中国を初め、日本、韓国といった東アジア文化圏の文化に大きな影響を及ぼした非常に重要な思想です。
儒教は、5世紀に中国から朝鮮半島を経由して日本に伝わったと言われています。儒教の教えの根幹となる教えの一つに「孝悌」というものがありますが、これは親に孝行し、年長者に素直に従うこと、という意味の言葉で、さらにこれをもとにして、儒教では父子の親、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信という5つの信義によって社会秩序が保たれると説いており、基本的には上下関係は不変であり、身分秩序を絶対化した思想です。
これが、5世紀か現代まで、欧米の文化が入ってきた近年では薄れつつあるとはいえ、日本人の精神に根強く受け継がれてきました。これにより、日本では年長者を敬い上下関係に厳格であることが良しとされてきたわけです。この精神がもとで、日本には上下関係にまつわるさまざまな独特の文化がありますが、そのひとつとして、節目節目にいつもお世話になっている年長者に贈りものをする、という習慣があります。
贈りものをするといっても、これがまたいろいろなマナーなどが存在し、これを心得ておかないと大人として恥ずかしいとされているものも多いですから、今回は年上の人に贈るプレゼントについて、考えて行くことにしましょう。